光の少女は暗い霧が立ち篭る、
森に迷い込んでしまいました。
すると、先ほどから、
暗闇から光の少女を攻撃してくる者がいるのです。
光の少女の目や、頭、足などを切り付けようとしてきて、
光の少女はかわすので精一杯でした。
かわすのに疲れてきた光の少女は、もう体力の限界でした。
再び、攻撃が来て切り付けられそうになった時、
光の少女は「助けて!」と心の底から叫びました。
すると、光の龍や、光の鹿、光のライオンなど、
光の生き物がやってきて、守ってくれたのです。
光の生き物たちは、心から助けを求めると助けに来てくれます。
光の龍が
「ここの霧を晴らしてやろう」そう言うと、
カッと光を放ち、森を照らしました。
すると、ますます霧が晴れ、全貌がわかるようになったのです。
光の少女を攻撃していたのは、黒い少女でした。
髪は長く、彼女の影は、陽炎のように重く揺れていました。
「闇の少女」という言葉がぴったりでした。
光の少女はその少女に話しかけました。
「あなたは何故私を切り付けたの?」
すると、闇の少女は答えました。
『あなたが気に入らないから。
あなたを見ると、全て奪って壊したくなるの。
さあ、いいからこっちの道においでよ』
そう言われて光の少女は悲しく、ショックを受けました。
でも、
「そうなの…。でも、ごめんね、私はあなたに奪われないし、壊されないから」
光の少女はそう答えました。
闇の少女はそう言われて、ひどく激怒しました。
『あなたのその態度がすごく腹が立つ。いいからこっちにおいでよ』
光の少女は疑問に思い、問いかけました。
「どうして、私が一緒に来てくれることを望んでいるの?
あなたは私のことが腹立つなら来なくてもいいじゃない」
闇の少女はうろたえました。
闇の少女自身も「何故、光の少女にこっちに来て欲しいのか」
それがわからなかったのです。
『私の願いは…ただ一つになりたい。だって、あなたと私は一つだったのだから。』
闇の少女は呟きました。
光の少女は更に問いかけました。
「あなたの元々の願いはなんだったの?」
闇の少女は深く考えました。
『私は…ただ、“今”の自分を守りたかったの』
すると、途端に闇の少女の体を纏う闇がサーッと引いていきました。
闇の少女の姿は銀色に輝いていたのです。
「銀色の少女」へと変わっていました。
『私は、“今の私”を守ることを望んでいる。
光を望むあなたと私は反対のようだけど、元々は一つだったの』
光の少女は納得しました。
銀色の少女が闇を纏っていたのは、
“今の私”を守るために、周りからの闇を吸収してしまった姿だったのだ、と。
光の少女は、銀色の少女に声をかけました。
「私の光の力だけでは、希望には進めない。
でも、あなただけでは、“今の私”を守れない。
私たちは一緒に、“今の私”を守りながら、希望に進もう」
そう言って、銀色の少女に手を差し伸べました。
銀色の少女は、一瞬驚いた顔をして、
でも途端に満面の花が溢れるような笑みをして、
光の少女の手を取りました。
こうして、2人の少女は歩みだしました。
“今の私”と希望の道を目指しながら。
そこに、光の生き物たちもついて見守っています。
彼女たちの旅は、始まったばかりです。
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